子ども・子育て支援金の給与天引き|いくら引かれる?仕組みを解説

子ども・子育て支援金の天引き額は?年収別シミュレーション

💡 子ども・子育て支援金とは

2026年5月の給与から、多くの会社員の給与明細に新たな項目が加わりました。それが「子ども・子育て支援金」です。少子化対策の財源として設けられた新しい徴収制度で、健康保険料に上乗せする形で毎月徴収されます。

📌 制度の背景

2024年に成立した「子ども・子育て支援法等の一部を改正する法律」に基づき創設。政府の「こども未来戦略」の財源として、社会全体で子育てを支えるという考えのもと、2026年4月から徴収が始まりました。

健康保険料との違い

子ども・子育て支援金は独立した新税ではなく、医療保険(健康保険・国民健康保険・後期高齢者医療)の保険料に上乗せして徴収される仕組みです。給与明細には健康保険料とは別に「子ども・子育て支援金」または「子育て支援金」として記載されるケースが多いですが、表記は保険者によって異なります。

📐 徴収の仕組み(会社員の場合)
子ども・子育て支援金 = 標準報酬月額 × 支援金率

会社員は労使折半(会社と本人で半分ずつ負担)。給与から天引きされるのは本人負担分のみ。

2026年度の支援金率は0.23%(標準報酬月額×0.23%が総額)。会社員は労使折半のため、本人負担は約0.115%(その半分)が目安です。率は2028年度の満額に向けて段階的に引き上げられます。

段階的に引き上げられるスケジュール

年度 支援金率(総額の目安) 全体の徴収規模
2026年度(開始) 0.23%(本人は折半で約0.115%) 約6,000億円規模
2027年度 約0.33% 約8,000億円規模
2028年度(満額) 約0.40% 約1兆円規模

※ 支援金率は総額(労使合計)の目安です。会社員の本人負担はこの半分。率・規模は加入する保険者や年度で異なります。政府は満額時で「被保険者1人あたり平均月450円程度」と説明していますが、実際の負担は収入で変わります。

👥 誰が・いくら払うか

子ども・子育て支援金は、子どもがいる・いないに関わらず、医療保険に加入するすべての人が負担します。負担額は収入(標準報酬月額・所得)に応じて変わり、加入する保険者によっても支援金率が異なります。

会社員・公務員
被用者保険加入者
協会けんぽ・組合健保・共済組合などに加入。労使折半のため、会社が半額負担。給与から自動天引き。
個人事業主・フリーランス
国民健康保険加入者
国保に加入する自営業者・フリーランスは、国保保険料に上乗せして徴収。給与天引きではなく、納付書や口座振替で支払う。折半なし(全額自己負担)。
75歳未満の被扶養者
扶養に入っている人
会社員の扶養家族(配偶者・子など)は、被保険者(会社員)の保険料に含まれる形で徴収。別途個人負担は発生しない。
75歳以上
後期高齢者医療加入者
後期高齢者医療保険料に上乗せして徴収。年金からの特別徴収または口座振替で支払う。

給与別の負担額目安(2026年度・協会けんぽ加入の会社員)

標準報酬月額(給与の目安) 月額負担(本人分) 会社負担分 年間合計(本人負担)
20万円(年収約240万円) 約230円 約230円 約2,760円
30万円(年収約360万円) 約345円 約345円 約4,140円
40万円(年収約480万円) 約460円 約460円 約5,520円
60万円(年収約720万円) 約690円 約690円 約8,280円
80万円(年収約960万円) 約920円 約920円 約11,040円

※ 2026年度の本人負担率 約0.115%(総額0.23%の労使折半)で試算した目安です。実際の支援金率は保険者(協会けんぽ・組合健保等)により異なります。給与明細・通知書でご確認ください。

📊 計算例:月収35万円の会社員(協会けんぽ)
標準報酬月額350,000円
支援金率(本人負担分・2026年度目安)約0.115%
月額天引き(本人負担)約400円
会社負担分(折半)約400円
年間本人負担合計約4,800円
💡 2028年度に満額(総額約0.4%・本人負担約0.2%)になると、同じ月収35万円で月額約700円・年間約8,400円になる見込み。年収800万円の人なら2026年度で月767円程度が目安です。

💸 どう徴収されるか

会社員:給与明細に新項目が追加

2026年5月(4月分給与)の給与明細から、健康保険料とは別の控除項目として表示されます。表記は保険者や企業の給与システムによって異なりますが、「子ども・子育て支援金」「子育て支援金」などの記載が一般的です。

📋 給与明細の変化イメージ
【控除】健康保険料 + 子ども・子育て支援金(新) + 厚生年金 + …

従来の健康保険料の額は変わらず、支援金が独立した項目として追加されるケースが多い。

一部の保険者では健康保険料に込みで徴収するため、明細上の表示が健保料の増加として見える場合もあり。

個人事業主・フリーランス:国保に上乗せ

国民健康保険(国保)に加入している個人事業主・フリーランスは、国保保険料の通知に支援金分が含まれて通知されます。給与天引きではなく、毎年6〜7月頃に届く「国民健康保険料(税)決定通知書」で金額が確認できます。

📌 個人事業主は「折半なし」に注意

会社員は労使折半で会社が半額を負担しますが、個人事業主・フリーランスは全額自己負担です。同じ所得水準で比較すると、個人事業主の方が実質的な負担が大きくなります。これは健康保険・年金など他の社会保険料と同様の構造です。

75歳以上:年金天引きまたは口座振替

後期高齢者医療保険に加入している75歳以上の方は、後期高齢者医療保険料に上乗せして徴収されます。年金から特別徴収(天引き)される方は年金額から、口座振替の方は口座から引き落とされます。

🌱 何に使われるか

集められた支援金は、「こども未来戦略」に基づく少子化対策の財源として使われます。具体的には以下の3本柱が中心です。

支援 01
👨‍👩‍👧‍👦
児童手当の拡充
高校生年代(16〜18歳)への児童手当延長、第3子以降の月額3万円への増額、所得制限の撤廃などが実施されています。支援金はこの財源の一部を担います。
支援 02
🏠
育児休業給付の拡充
育休取得率の向上と収入補填の強化を目的に、給付率を手取りの実質100%相当(最大80%→実質100%)に引き上げる方向での拡充が予定されています。
支援 03
🏫
保育・こども園の整備
待機児童の解消・保育士の処遇改善・こども誰でも通園制度(未就園児の保育利用)の拡充など、保育インフラの整備に活用されます。
📌 「実質負担ゼロ」とは何か

政府は当初「実質的な追加負担はない」と説明していました。これは、支援金の導入と引き換えに、2028年度までに段階的に公費(税金)での少子化対策支出を同額程度削減・効率化することで相殺できるという考え方によるものです。ただし、個人の給与明細から天引きされる金額自体はたしかに増えており、「実質ゼロ」という説明には批判も多くあります。

⚠️ 注意点・よくある誤解

① 子どもがいなくても払う

子ども・子育て支援金は、子どもがいない単身者・DINKs・高齢者を含むすべての医療保険加入者が対象です。社会全体で子育てを支えるという考えに基づく制度であるため、子育て中かどうかは免除の要件になりません。

② 給与明細の見方が変わる

2026年5月支払い分(4月分給与)から表示が変わっています。健康保険料の金額が増えているように見えても、支援金分が含まれている場合と、独立した項目として表示されている場合があります。給与明細の控除欄を改めて確認しましょう。

③ 個人事業主は国保の通知で確認する

フリーランス・個人事業主は6〜7月頃に届く国保保険料の決定通知書で支援金分が確認できます。2026年度分から金額が変わっているはずです。確定申告の社会保険料控除の計算にも影響します(社会保険料控除として全額控除可能)。

④ 社会保険料控除の対象になる

子ども・子育て支援金は社会保険料として扱われるため、年末調整・確定申告で社会保険料控除の対象になります。会社員は年末調整で自動的に控除されます。個人事業主は確定申告の社会保険料控除欄に記入してください。

📌 今すぐできる確認

① 給与明細の控除欄に「子ども・子育て支援金」または類似の記載があるか確認する。
② 国保加入者は、今年6〜7月に届く保険料決定通知書の金額を昨年と比較する。
③ 年末調整・確定申告時に、社会保険料の合計額に含まれていることを確認する。

よくある質問

いつから・いくら引かれる?

2026年4月分の保険料(多くは5月支給の給与)から徴収開始です。2026年度の率は総額0.23%で、会社員の本人負担はその折半(約0.115%)。年収400万円で月約384円、800万円で月約767円が目安です。

子どもがいなくても払う?

はい。医療保険に加入するすべての人が対象で、子どもの有無は問いません。社会全体で子育てを支える制度という位置づけです。

ボーナスからも引かれる?

引かれます。標準賞与額に率を掛け、会社員はその半分が本人負担です。

社会保険料控除の対象になる?

はい。社会保険料として扱われ、年末調整・確定申告の社会保険料控除の対象になります。会社員は年末調整で自動的に反映されます。

📎 参照元・公式情報

本記事は以下の公式情報をもとに作成しています。制度は改正されることがあります。最新の情報は各公式サイトでご確認ください。

※ 本記事の内容は情報提供を目的としており、税務・法務アドバイスではありません。支援金率・負担額は年度・保険者で異なります。最新は各公式サイトでご確認ください。