熊本地震の義援金と寄附金控除|実質2000円で支援・信頼できる寄付先一覧

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カテゴリ:制度・ニュース

この記事の更新情報

  • 寄付先テーブルに掲載基準の注記を追加(網羅ではない旨)
  • 熊本市の義援金口座を追加(受付7/30〜10/31・肥後銀行市役所支店ほか)
  • 熊本県の義援金口座開設を反映(受付7/29〜10/30予定)

2026年(令和8年)7月28日16時27分頃、熊本県熊本地方を震源とするマグニチュード7.1の地震が発生し、宇城市と氷川町で最大震度7を観測しました。余震も続いており、被災地への支援を考えている方も多いはずです。実は、日本赤十字社や自治体への義援金は「ふるさと納税と同じ控除」の対象で、実質自己負担2,000円で被災地を支援できます。ただし寄付の「型」によって税金の扱いが大きく変わり、街頭募金のように控除にならないものもあります。この記事では、義援金・支援金・ふるさと納税型の3タイプの税制の違い、控除の計算例、確定申告の手順、そして信頼できる寄付先の窓口を一次情報で整理します。

まず知っておきたい:寄付には3つの型があり、税金の扱いが違う

「被災地への寄付」とひとくくりにされがちですが、お金の流れで見ると次の3タイプに分かれ、控除の種類も手続きも異なります

お金の行き先個人の税制上の扱いワンストップ特例
義援金日本赤十字社・共同募金会・県や市町村の口座を経て、配分委員会から被災者に直接配分寄附金控除+住民税の特例控除(ふるさと納税と同じ扱い自治体へ直接なら可。日赤・共同募金会経由は不可(確定申告が必要)
ふるさと納税型被災自治体(または代理の自治体)に寄付。復旧・復興の財源になるふるさと納税そのもの(返礼品なし)可(条件を満たせば)
支援金NPO・NGOの救助・支援活動の資金になる(炊き出し・物資・医療など)認定NPO法人・公益法人等なら寄附金控除または最大40%の税額控除。認定のない団体は対象外不可(確定申告が必要)

ポイントは、「被災者に直接届けたい」なら義援金、「今すぐ動いている救助活動を支えたい」なら支援金という役割の違いです。義援金は公平に配分される反面、届くまで時間がかかります。支援金は即効性がありますが、控除を受けるには寄付先が認定NPO法人などであることが条件です。

義援金は「実質2,000円」で支援できる:控除の計算

日本赤十字社・中央共同募金会・被災した県や市町村が募集する災害義援金は、最終的に義援金配分委員会等を通じて被災者に届けられるため、税務上は「地方公共団体に対する寄附金」として扱われます(国税庁の義援金FAQで明示されています)。つまり、ふるさと納税と同じ計算で所得税と住民税が軽くなります

計算例:課税所得330万円未満(所得税率10%)の会社員が義援金1万円を寄付

所得税の軽減:(10,000円 − 2,000円)× 10% × 1.021 ≒ 817円
住民税の基本控除:(10,000円 − 2,000円)× 10% = 800円
住民税の特例控除:(10,000円 − 2,000円)×(90% − 10.21%)≒ 6,383円

軽減合計 約8,000円 → 実質の自己負担は約2,000円

  • 特例控除には住民税所得割額の2割という上限があり、この枠は通常のふるさと納税と共通です。今年すでに返礼品目当てのふるさと納税を上限近くまでしている人は、義援金の分は上限を超え、自己負担が2,000円より増えることがあります。自分の上限額の考え方はふるさと納税完全ガイドで解説しています。
  • 所得税側の寄附金控除の対象は「総所得金額等の40%」まで。よほど高額の寄付でなければ気にする必要はありません。
  • 控除を受けるには受領証明書(領収書)の保管と申告が必要です(手続きは後述)。

ふるさと納税サイトの「災害支援寄付」も動き始めている

ふるさと納税のポータルサイトには、返礼品なしで被災自治体に直接寄付できる災害支援の仕組みがあります。今回の地震では、発生翌日の7月29日時点で、ふるさとチョイス・さとふる・楽天ふるさと納税の各サイトに被災自治体への寄付受付が立ち上がっています(ふるさとチョイスは八代市・嘉島町など、さとふるは被災9自治体+八代市への代理寄付3自治体、楽天は八代市など。受付自治体は順次拡大しています)。

  • 返礼品はありませんが、税制上は通常のふるさと納税と同じで、実質2,000円の負担で寄付できます。
  • 代理寄付という仕組みもあります。被災していない自治体(今回は茨城県境町など)が受付事務を代行し、被災自治体が事務負担なく寄付を受け取れる形です。寄付者の控除は通常どおり受けられます。
  • 自治体への直接の寄付なので、条件を満たせばワンストップ特例(確定申告不要の制度)が使えます。給与所得のみで寄付先が年間5自治体以内の方は、申請書を出せば申告の手間がありません。

2026年からのふるさと納税のルール変更(ポイント付与の廃止など)はふるさと納税2026の記事にまとめています。

NPO・NGOへの支援金:認定NPO法人なら最大40%の税額控除

発災直後から現地入りして救助・物資・医療支援を行うのは、多くの場合NPO・NGOです。こうした団体への寄付(支援金)は、寄付先が認定NPO法人・公益社団法人・公益財団法人などであれば控除の対象になります。

認定NPO法人への寄付は、2つの方式から有利な方を選べます。

  • 税額控除(多くの人はこちらが有利):(寄付額 − 2,000円)× 40% を所得税額から直接差し引く(その年の所得税額の25%が上限)。
  • 所得控除:(寄付額 − 2,000円)を所得から差し引く。所得税率の高い高所得者はこちらが有利な場合があります。

住民税側も、お住まいの自治体がその団体を条例で指定していれば最大10%の控除が上乗せされます。

  • 寄付先が認定NPO法人かどうかは、内閣府NPO法人ポータルサイトで確認できます。認定のない任意団体への寄付は、活動としては尊いものの控除の対象にはなりません
  • 義援金とは違い、支援金はワンストップ特例の対象外です。控除を受けるには確定申告が必要です。

法人(会社)が寄付する場合:義援金は全額損金にできる

会社として寄付する場合は、個人とは扱いが変わります。

  • 国・地方公共団体への寄付、および日本赤十字社・中央共同募金会などの災害義援金(最終的に義援金配分委員会等へ拠出されるもの)は、「国等に対する寄附金」として全額を損金算入できます。一般の寄附金のような損金算入限度額の制約を受けません。
  • 認定NPO法人への支援金は、一般の寄附金とは別枠の「特別損金算入限度額」の範囲で損金にできます(全額ではありません)。
  • 取引先や被災した子会社・支店への見舞金、自社製品の提供などは、寄附金ではなく災害見舞金・広告宣伝費等として損金算入できる場合があります。国税庁の「災害に関する法人税の取扱い」を確認してください。

いずれも、振込受付証や受領証明書など支出を証明する書類の保存が必須です。

信頼できる寄付先の窓口(2026年7月31日時点)

熊本県は発生翌日の7月29日に「令和8年熊本地震義援金」の受付口座を開設しました(受付期間は2026年10月30日まで・予定)。日本赤十字社の全国受付一覧への掲載は準備中ですが、日赤熊本県支部・熊本県共同募金会では受付が始まっています。SNSで出回る口座ではなく、必ず次の公式窓口で口座情報を確認してから振り込んでください。

窓口状況・確認先
熊本県「令和8年熊本地震義援金」義援金受付開始(2026年7月29日〜10月30日・予定)。肥後銀行県庁支店ほか(ゆうちょ等は準備中)。振込の利用明細票が控除の証明になり、受領証明書が必要な場合は郵送で申請
熊本市「令和8年熊本地震災害義援金」義援金受付開始(2026年7月30日〜10月31日)。肥後銀行 熊本市役所支店 普通1500452/ゆうちょ銀行 00900-2-198660(名義はいずれも「熊本市令和8年熊本地震災害義援金」)。肥後銀行の本支店・ゆうちょ窓口や通帳アプリからは振込手数料無料。受領書が必要な場合は発行依頼書を提出
日本赤十字社(義援金・救援金の受付一覧)義援金全国の受付一覧への掲載は準備中。日赤熊本県支部では受付開始
赤い羽根共同募金(中央共同募金会)義援金・支援金熊本県共同募金会で受付開始。災害義援金・ボランティア支援の募集状況を掲載
ふるさとチョイス災害支援ふるさと納税型八代市・嘉島町などの受付が開始済み。代理寄付あり
さとふる 災害緊急支援寄付ふるさと納税型被災9自治体+代理寄付3自治体で受付中(1,000円から・返礼品なし)
楽天ふるさと納税 災害支援寄付ふるさと納税型八代市などの受付が開始済み(返礼品なし)
Yahoo!ネット募金支援金LINEヤフー基金・AAR Japan・ピースウィンズ・ジャパン・ジャパンハート等の緊急支援募金が開始済み。控除の可否は各プロジェクトの記載を確認

※ この表は、公的機関・大手プラットフォームを通じて口座の真正性と控除の可否が確認できる窓口を掲載したもので、すべての寄付先を網羅するものではありません。掲載外にも多くの正当な支援団体があります。寄付先を選ぶ際は、各団体の公式サイトで活動内容と寄附金控除の可否をご確認ください。

募金詐欺に注意。大きな災害の直後は、SNSや電話・訪問で偽の募金口座に誘導する詐欺が必ず増えます。過去の熊本地震や能登半島地震でも多数確認されています。

  • SNSで拡散されている口座には送金せず、上記のような公式サイトに掲載された口座かを必ず確認する。
  • 「全額を被災者に届けます」と称する個人アカウントや、実在団体をかたる紛らわしい名義に注意する。
  • 公的機関が電話や訪問で義援金を求めることはありません。

控除を受けるための手続き:受領証明書と申告

  1. 受領証明書(領収書)を必ず入手・保管する。銀行振込の場合は振込受付証+募集要綱の写しでも代用できる場合があります。クレジットカード決済は決済日が寄付日になります。
  2. 自治体への寄付(ふるさと納税型・県への直接の義援金)でワンストップ特例を使う場合は、寄付先自治体に翌年1月10日までに申請書を提出。これで申告は不要です。
  3. 日赤・共同募金会への義援金、NPOへの支援金は確定申告が必要です。翌年2〜3月に、国税庁の確定申告書等作成コーナーで「寄附金控除」の欄に入力します。会社員の申告手順は会社員向け確定申告ガイドを参照してください。
  4. 住民税側の控除は、確定申告をすれば自動で反映されます(別途の手続き不要)。

なお、コンビニのレジ募金や街頭募金など受領証明書が出ない寄付は、金額の多寡にかかわらず控除の対象にできません(ファミリーマートなど大手コンビニも7月29日から店頭募金を開始していますが、税務上はこれも同じ扱いです)。控除を受けたい場合は、証明書の出る窓口から寄付してください。

今日やること

  1. 寄付する前に、日本赤十字社・熊本県の公式ページで義援金口座の開設状況を確認する(SNSの口座情報をうのみにしない)。
  2. 今年のふるさと納税の残り枠を確認する。枠が残っていれば、義援金・災害支援寄付は実質2,000円で可能。
  3. 寄付したら受領証明書をすぐ保存し、スマホのカレンダーに「2月に確定申告(寄附金控除)」と入れておく。

よくある質問

義援金は全額戻ってくるのですか?

全額ではありません。所得税と住民税の控除を合わせて「寄付額のうち2,000円を超える部分」が軽減されるのが基本形です。1万円寄付すれば約8,000円分の税金が軽くなり、実質負担は約2,000円になります。ただし住民税の特例控除には所得割額の2割という上限があり、通常のふるさと納税と枠を共有している点に注意してください。

ワンストップ特例は使えますか?確定申告は必要ですか?

ふるさと納税サイト経由の災害支援寄付や自治体への直接の寄付は、条件を満たせばワンストップ特例が使えます。一方、日本赤十字社や中央共同募金会への義援金、NPOへの支援金はワンストップ特例の対象外で、控除を受けるには確定申告が必要です。

コンビニ募金や街頭募金は控除になりますか?

受領証明書(領収書)が発行されない募金は、寄附金控除の対象にできません。控除を受けたい場合は、日本赤十字社・共同募金会・自治体・ふるさと納税サイトなど、証明書の出る窓口から寄付してください。証明書が不要な少額の善意を否定するものではなく、あくまで税務上の扱いの話です。

会社として寄付したら経費になりますか?

日本赤十字社・中央共同募金会・自治体への災害義援金のように、最終的に被災者へ配分されるものは「国等に対する寄附金」として全額損金算入できます。認定NPO法人への支援金は特別損金算入限度額の範囲内で損金になります。振込受付証など証明書類の保存が必須です。

どこに寄付するのが一番良いですか?

目的で選ぶのが正解です。被災者の手元に公平に届けたいなら義援金(日赤・共同募金会・自治体)、いま現地で動いている救助・支援活動を支えたいなら認定NPO法人等への支援金、被災自治体の復旧財源を支えたいならふるさと納税型が向いています。優劣ではなく役割の違いです。

出典:国税庁「義援金に関する税務上の取扱いFAQ」・タックスアンサー No.1150「一定の寄附金を支払ったとき(寄附金控除)」・No.1155「ふるさと納税(寄附金控除)」、総務省ふるさと納税ポータルサイト、内閣府NPO法人ポータルサイト、日本赤十字社・中央共同募金会・熊本県の公式サイト、ふるさとチョイス・さとふる・楽天ふるさと納税の災害支援ページ、気象庁の地震情報および熊本日日新聞ほかの報道(2026年7月30日時点)。義援金口座の開設状況・受付期間は変動するため、寄付の前に必ず各公式サイトで最新情報を確認してください。本記事は一般的な情報提供であり、個別の税務判断は税務署・税理士など専門家にご相談ください。

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「はい」が多い記事から、優先的に内容を更新・深掘りしていきます。

最終更新:2026年08月01日 / 公開日:2026年07月29日 / 執筆:みんなの税金 編集部

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