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- 公開。日本学生支援機構の給付奨学金ページ・家計基準・支援区分見直し、文部科学省の多子世帯FAQ・令和9年度概算要求、所得税法第9条第1項第15号をもとに作成
2026年度の給付型奨学金は、私立大学・自宅外の第Ⅰ区分で月7万5,800円です[日本学生支援機構]。世帯年収の目安は4人世帯・予約採用で271万・303万・378万・635万円の4段階です[同 家計基準]。ただし第Ⅳ区分で現金が振り込まれるのは多子世帯だけです。子を3人以上扶養していれば、授業料等減免は所得制限なしで受けられます。まずマイナポータルで住民税の課税標準額を確かめてください。
結論:4つの区分と、私立・自宅外でもらえる月額
| 支援区分 | 世帯年収の目安 (4人世帯・予約採用) | 給付月額 私立・自宅外 | 給付月額 国公立・自宅外 | 授業料等減免 |
|---|---|---|---|---|
| 第Ⅰ区分 | 〜271万円 | 75,800円 | 66,700円 | 満額 |
| 第Ⅱ区分 | 〜303万円 | 50,600円 | 44,500円 | 3分の2 |
| 第Ⅲ区分 | 〜378万円 | 25,300円 | 22,300円 | 3分の1 |
| 第Ⅳ区分 | 〜635万円 | 19,000円 (多子世帯のみ) | 16,700円 (多子世帯のみ) | 4分の1 (多子世帯は満額) |
| 多子世帯 (第Ⅳ区分超) | 所得制限なし | 0円 | 0円 | 満額 |
出典:日本学生支援機構「給付奨学金の支給額」[支給額]と「予約採用の家計基準」[家計基準]。年収は本人・親A(給与)・親B(無収入)・中学生の4人世帯の目安です。
この目安は高校3年で申し込む予約採用の表です。進学後の在学採用(二次)以降は、同じ4人世帯で295万・395万・461万・698万円になります[日本学生支援機構 在学採用]。「年収いくらまで」の数字は、どちらの表かを確かめて使ってください。
第Ⅳ区分でお金が振り込まれるのは多子世帯だけ
第Ⅳ区分は令和6年度にできた中間所得層向けの枠です。収入の基準を満たすだけでは足りません。多子世帯か、私立の理工農系の学科に在籍しているかのどちらかが必要です[日本学生支援機構 第4区分]。しかも、この2つでは中身が違います。
現金が振り込まれる人
- 多子世帯の学生。私立・自宅外なら月1万9,000円
- 授業料等減免も上限まで満額
- 無利子の貸与奨学金とは併給調整がある
採用されても0円の人
- 多子世帯ではなく、私立の理工農系に在籍する学生
- 受けられるのは文系との授業料の差額に着目した額の減免だけ
- どちらにも当たらない人は支援なし
支給額表も第Ⅳ区分の月額に「多子世帯に限る」と注記しています。差額に着目した減免額は公表資料に示されていません。
多子世帯の減免に所得制限はない。ただし上限額まで
令和7年度から、多子世帯の学生は所得制限なしで授業料等減免を受けられます[文部科学省]。年収が第Ⅳ区分を超えても、資産が5,000万円以上3億円未満でも対象です[日本学生支援機構 多子世帯]。ただし給付奨学金は支給されません。
「大学無償化」と呼ばれますが、無償になるのは上限額までです。授業料が年110万円の私立大学なら、毎年40万円が自己負担として残ります(本サイトの試算)。
| 学校種 | 国公立 入学金 | 国公立 授業料 | 私立 入学金 | 私立 授業料 |
|---|---|---|---|---|
| 大学 | 28万円 | 54万円 | 26万円 | 70万円 |
| 短期大学 | 17万円 | 39万円 | 25万円 | 62万円 |
| 専門学校 | 7万円 | 17万円 | 16万円 | 59万円 |
年額の上限。入学金は1回だけ。施設費・実験実習費は対象外です。出典:文部科学省「多子世帯への授業料等無償化に係る質問と回答」問4-1[文部科学省]
終わり方にも注意が要ります。第1子が卒業して扶養を外れ、子が2人になると多子世帯の支援は終了します[文部科学省 質問と回答]。下の子の在学中に上の子が就職すると、次の年から減免が消えます。
判定は年収ではなく「課税標準額×6%」。ふるさと納税は効かない
支援区分を決めるのは年収そのものではありません。住民税の情報から計算する支給額算定基準額です。本人と生計維持者(原則は父母)の額を合計して判定します。
課税標準額 × 6% -(市町村民税調整控除額 + 市町村民税調整額)
※100円未満は切り捨て。政令指定都市に市民税を納める人は、かっこ内に4分の3を掛ける
| 支援区分 | 本人+生計維持者の合計額 |
|---|---|
| 第Ⅰ区分 | 市町村民税所得割が非課税(100円未満) |
| 第Ⅱ区分 | 100円以上 25,600円未満 |
| 第Ⅲ区分 | 25,600円以上 51,300円未満 |
| 第Ⅳ区分 | 51,300円以上 154,500円未満 |
出典:日本学生支援機構「進学前(予約採用)の家計基準」[日本学生支援機構]
ここが節税と食い違います。ふるさと納税や住宅ローン控除で住民税を減らしても、支給額算定基準額は動きません。これらの税額控除は基準額に影響しないと日本学生支援機構が明記しています。
資産は5,000万円未満。不動産は数えない
申込日時点で、本人と生計維持者の資産の合計が5,000万円未満であることも条件です[日本学生支援機構]。多子世帯の授業料等減免だけは3億円未満と緩やかです[文部科学省 別添資料1]。数えるのは現金・預貯金・退職金と有価証券で、NISAの投資分も時価で入ります。数えないのは不動産と、満期前の保険・学資保険です。
「持ち家があるから無理」は誤解です。逆に、学費のため祖父母から現金を受け取れば資産に数えられます(教育資金の贈与と非課税)。
2026年の新ルール:年収160万円まで働くきょうだいも「子ども」
多子世帯かどうかは、扶養する子が3人以上かで決まります[日本学生支援機構 多子世帯]。2026年はこの数え方が変わりました。特定親族特別控除ができたため、令和8年度住民税を使う判定から、一定の収入があるきょうだいも「子ども」に数えます。
| きょうだいの年収(給与のみ) | 学生世代(19〜22歳・18歳早生まれを含む) | 学生世代以外 |
|---|---|---|
| 123万円以下 | 子どもに数える | 子どもに数える |
| 123万円超 160万円以下 | 子どもに数える(別途申告が必要) | 対象外 |
| 160万円超 | 対象外 | 対象外 |
合計所得金額でいうと58万円超95万円以下です。出典:日本学生支援機構「2026年10月の支援区分見直し」[日本学生支援機構]
大事なのは「別途申告が必要」という点です。該当しそうな家庭には機構が書類の案内を郵送します。ただし18歳早生まれのきょうだい(2007年1月2日〜4月1日生まれ)は機構が特定できず、自分から学校に申し出るしかありません。
この123万円・160万円は住民税の判定に使う金額です。所得税の「年収の壁」は年分で額が違うため、そのまま当てはめないでください。バイト代と親の控除は学生バイトと親の扶養で整理しています。
4年間でいくら違うか:第Ⅰ区分と第Ⅲ区分で446万円
- 給付型奨学金 75,800円 × 12か月 × 4年 = 3,638,400円
- 授業料の減免 70万円 × 4年 = 2,800,000円
- 入学金の減免 26万円 × 1回 = 260,000円
- 合計 6,698,400円
| ケース(私立大学・自宅外) | 給付型奨学金 | 減免 | 4年間の合計 |
|---|---|---|---|
| 第Ⅰ区分(年収271万円まで) | 3,638,400円 | 3,060,000円 | 6,698,400円 |
| 第Ⅲ区分(年収378万円まで) | 1,214,400円 | 約1,020,000円 | 約2,234,400円 |
| 第Ⅳ区分を超える多子世帯 | 0円 | 3,060,000円 | 3,060,000円 |
※本サイトの試算です。第Ⅲ区分の減免は満額の3分の1として計算しました。端数の扱いは学校で異なります。
第Ⅰ区分と第Ⅲ区分の差は約446万円です。世帯年収でいえば271万円と378万円の違いで、これだけ動きます。第Ⅳ区分内の多子世帯なら4年で397万2,000円になります。
給付型奨学金は非課税。でも本人のバイト代は区分に効く
受け取った給付型奨学金に税金はかかりません。所得税法第9条第1項第15号が学資に充てるため給付される金品を非課税と定めているからです[デジタル庁 法令検索]。確定申告も住民税の申告も要らず、親の扶養控除や特定親族特別控除の判定にも入りません。
ただし別のルートで支援が減ります。支給額算定基準額は本人の分も合算されるためです。アルバイトの給与は課税所得なので、稼ぎすぎると本人の基準額が上がり、世帯の区分が下がることがあります。
申込は高校3年の春から。出席率6割で打ち切りもある
進学前に申し込む予約採用は、高校3年の4月下旬から7月末が受付期間です。締切は学校ごとに違います。進学後の申込みでも4月分にさかのぼれますが、始まるのは数か月後です。
- 高校で書類を受け取る。多子世帯で減免しか対象にならない人も申込みは必要です。
- インターネットで申し込む。本人と生計維持者のマイナンバーを提出します。
- 「奨学金確認書兼地方税同意書」を郵送する。ここまでが申込みです。
- 進学後に進学届を出す。出さないと採用候補のままで支給が始まりません。
- 振込を受ける。原則は毎月11日です(4月は21日、5月は16日)[日本学生支援機構 振込日]。
採用後も判定は続きます。適格認定(家計)で決まった支援区分はその年の10月分から翌年9月分まで使われます[日本学生支援機構]。10月に振込額が変わるのはこのためです。
「返さなくていい」には条件が付く
- 警告(支給は継続):修得単位が標準の7割以下、成績が学部の下位4分の1、出席率8割以下のいずれか
- 停止:2回続けて警告で、2回目の理由が成績下位4分の1だけの場合
- 廃止(打ち切り):卒業延期の確定、修得単位が標準の6割以下、出席率6割以下、警告の連続
廃止のとき、成績が著しく不良でやむを得ない事由がなければ、受け取った分の返還を求められます。出典:日本学生支援機構「適格認定(学業等)」[日本学生支援機構]
額は上がっていない。だから取りこぼさない
文部科学省は令和9年度の概算要求で、修学支援を金額の入らない事項要求としました。同じ資料に「奨学金の額について、近年調整していない」と自ら書いています[文部科学省 令和9年度概算要求]。2020年度から2024年度で学費は4.2%、生活費は13.4%上がりました。据え置きが続けば実質の支援は目減りします。
使う側にできるのは取りこぼしを減らすことです。子を3人以上扶養しているなら、年収にかかわらず申し込む価値があります。高校の支援は高校無償化2026と都道府県の上乗せ、卒業後の肩代わりは奨学金の返還支援と非課税で確認できます。
よくある質問(年収・区分・税金)
授業料等減免のお金はいつ振り込まれますか。
振り込まれません。学校が授業料と入学金を減額し、国が減免分を学校に支給する方式です。口座に入るのは給付型奨学金だけです。
まとめ
- 2026年度の給付型奨学金は私立大学・自宅外の第Ⅰ区分で月7万5,800円
- 世帯年収の目安は4人世帯・予約採用で271万・303万・378万・635万円の4段階
- 第Ⅳ区分で現金が振り込まれるのは多子世帯だけ。多子世帯は所得制限なしで授業料等減免を上限まで
- 区分は課税標準額×6%で判定。ふるさと納税や住宅ローン控除で住民税を減らしても動かない
- 予約採用は高校3年の4月下旬から7月末。修得単位6割以下・出席率6割以下などで打ち切り
参考リンク(出典)
- 日本学生支援機構 給付奨学金の支給額——区分別の月額
- 日本学生支援機構 予約採用の家計基準——計算式・資産・年収の目安
- 日本学生支援機構 在学採用の家計基準——在学採用の年収の目安
- 日本学生支援機構 第4区分の新設について——多子世帯と理工農系の違い
- 日本学生支援機構 多子世帯支援について——所得制限なしの減免と子の数え方
- 日本学生支援機構 2026年10月の支援区分見直し——適用期間と特定親族
- 日本学生支援機構 適格認定(学業等)——警告・停止・廃止の基準
- 日本学生支援機構 奨学金振込日カレンダー——原則毎月11日
- 文部科学省 多子世帯への授業料等無償化に係る質問と回答——上限額と資産基準
- 文部科学省 令和9年度高等教育局の概算要求の考え方——事項要求と学費の上昇
- デジタル庁 法令検索 所得税法第9条第1項第15号——学資金の非課税
※試算は公表された金額を本サイトが当てはめたものです。実際の支援額と区分は在籍校と日本学生支援機構の判定によります。
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