106万円・130万円の壁とは|社会保険の壁と2026年改正をやさしく解説

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パートやアルバイトで働くときに気になる「年収の壁」。実は税金の壁社会保険の壁(106万円・130万円)はまったくの別物です。とくに社会保険の壁は、超えると本人の保険料負担が発生して一時的に手取りが減る「働き損」が起こりやすい一方、2026年に大きな見直しが実施されます。この記事では、106万円・130万円それぞれの仕組みと最新の改正、そして損しない働き方の考え方を整理します。

先に結論(2026年7月時点)

2026年10月1日から、従業員51人以上の企業で週20時間以上働く人は、年収にかかわらず社会保険に加入します(106万円の壁は撤廃され「週20時間の壁」に)。130万円の壁は当面残りますが、判定は2026年4月から契約ベースに緩和済みです。

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会社員・給与

「税金の壁」と「社会保険の壁」は別物

「年収の壁」には2系統あります。混同すると判断を誤ります。

系統主な壁超えると何が起きる
税金の壁本人に所得税がかかるのは160万円(令和7年分)→178万円(令和8年分)から。扶養・配偶者控除の基準は123万円→136万円(令和8年分)本人に所得税/配偶者控除・配偶者特別控除の減少(なだらか)
社会保険の壁106万円・130万円本人が社会保険に加入し保険料負担が発生

税金の壁は 103万円の壁から123万円の壁 で解説しています。ここでは社会保険の壁を見ていきます。

106万円の壁(パート先で社会保険に加入)

勤務先で社会保険(厚生年金・健康保険)に加入する基準です。次の条件をすべて満たすと、本人が加入し、給与から保険料が天引きされます。

106万円の壁(短時間労働者の加入要件)[日本年金機構]

① 週の所定労働時間が20時間以上
② 月額賃金が8.8万円以上(≒年106万円)
③ 2か月を超える雇用の見込み
④ 学生でない
⑤ 従業員51人以上の企業(2024年10月〜)

2026年10月1日、106万円の壁は「週20時間の壁」へ

賃金要件の撤廃が確定しています

2026年10月1日に、月額賃金8.8万円(年106万円)の要件は撤廃されます(2025年成立の年金制度改正法。最低賃金の上昇により実施条件が満たされ、施行日が確定)。撤廃後は、週20時間以上・雇用見込み2か月超・学生でない・従業員51人以上の条件を満たせば、年収にかかわらず本人が社会保険に加入します。つまり実質的な境目は「収入」ではなく週の労働時間になります[厚生労働省]

さらに企業規模(51人以上)の要件も2027年10月から段階的に撤廃され、2035年までにすべての企業が対象になる予定です。より多くの短時間労働者が社会保険に加入していく流れです。

130万円の壁(扶養から外れる)

106万円の対象にならない人でも、年収が130万円以上になると、配偶者などの社会保険の扶養から外れ、自分で国民年金・国民健康保険(または勤務先の社会保険)に加入します。これは企業規模に関係なく全員が対象です。

2026年4月から「契約上の基本収入」で判定(施行済み)

130万円の収入判定は、2026年4月から、労働条件通知書などに記載された契約上の基本収入をベースに認定される取り扱いに変わりました。契約上の年収が130万円未満なら、一時的な繁忙での残業で超えても原則扶養にとどまれます。

一時的な収入増には「事業主の証明」の特例

残業などで一時的に130万円を超えても、勤務先の事業主が「一時的な収入変動である」と証明すれば、連続2回(最大2年)まで扶養にとどまれる仕組みがあります(年収の壁・支援強化パッケージ)[厚生労働省]

「働き損」の正体と、損しないための考え方

社会保険の壁を超えると保険料(給与の約15%)が天引きされ、超えた直後は手取りが一時的に減ることがあります。これが「働き損」と言われる現象です。ただし、次の2点を押さえると判断が変わります。

  • 一定以上働けば手取りは逆転する:保険料負担を上回るまで年収を増やせば(目安として年収150〜160万円前後)、手取りは加入前を上回ります。中途半端に抑えるのが一番もったいないケースもあります。
  • 社会保険加入はメリットもある:厚生年金で将来の年金が増え、病気やケガの傷病手当金、出産時の出産手当金など保障も手厚くなります。健康保険料・厚生年金保険料は会社と折半です。
新たに加入する人を支える2つの支援策

事業主の追加負担の特例(2026年10月〜):標準報酬月額(保険料計算のもとになる月給の区分)12.6万円以下の人について、労使合意により最初の3年間、事業主が本人分の保険料の一部を追加負担できる特例が始まります。
年収の壁・支援強化パッケージ(実施中):社会保険適用促進手当やキャリアアップ助成金など、手取りの減少を抑える既存の支援策です。いずれも勤務先に確認してみましょう。

よくある質問

103万円の壁と106万円の壁は何が違う?

103万円は税金の壁の旧称で、改正により本人に所得税がかかるのは令和7年分で年収160万円、令和8年分では178万円からに引き上げられています。一方の106万円は社会保険に加入する壁で、系統がまったく違い、超えたときの影響も別です。

106万円の壁はなくなるの?

なくなります。2026年10月1日に月額賃金8.8万円(年106万円)の要件が撤廃され、以後は週20時間以上働くかどうかが実質的な境目になります。企業規模51人以上の要件も2027年10月から段階的に撤廃される予定です。

2026年10月から自分は社会保険の加入対象になる?

次の4つをすべて満たすと加入対象です:①週の所定労働時間20時間以上 ②雇用見込み2か月超 ③学生でない ④従業員51人以上の企業に勤務。年収額は関係なくなります。④に当てはまらない企業でも、2027年10月以降は段階的に対象が広がります。

130万円を一時的に超えたら必ず扶養を外れる?

残業などによる一時的な収入増は、勤務先の事業主の証明により連続2回(最大2年)まで扶養にとどまれる特例があります。恒常的な収入増は対象外です。

社会保険に入ると損?

超えた直後は手取りが一時的に減ることがありますが、一定以上働けば逆転し、将来の年金増・傷病手当金・出産手当金などの保障も得られます。保険料は会社と折半です。

まとめ

2系統税金の壁(改正で160万→178万円等に引き上げ)と社会保険の壁(106万/130万)は別物
106万円週20h・月8.8万・従業員51人以上などで勤務先の社保に加入
2026年10月〜賃金要件8.8万円は撤廃(確定)。実質「週20時間の壁」に/企業規模要件も2027年10月から段階撤廃
130万円全員対象で扶養を外れる。2026年4月から契約上の基本収入で判定
考え方中途半端に抑えず一定以上働けば逆転。年金・保障の増加も

参考リンク(出典)

本記事は次の公的機関の資料をもとに作成しています(中立・一次情報)。制度は改正されるため、判断前に最新の内容をご確認ください。

※本記事は一般的な情報提供であり、税務・社会保険上の助言ではありません。個別のご判断は勤務先・年金事務所・専門家にご確認ください。

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公開日:2026年06月09日 / 執筆:みんなの税金 編集部

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本記事は税制・各種制度に関する一般的な情報提供を目的としたもので、税務上の助言ではありません。記載内容は公開時点の情報に基づき正確性に努めていますが、制度は改正される場合があります。実際のお手続き・個別のご判断は、国税庁・お住まいの税務署・税理士等の専門家にご確認ください。運営者情報・免責事項