外国人・非居住者の日本不動産の税金|取得・保有・売却と源泉徴収

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外国人・非居住者の日本不動産の税金|取得・保有・売却

歴史的な円安を背景に、海外の富裕層による日本の不動産取得が活発になっています。日本では外国人・非居住者でも土地・建物を自由に所有できます(国籍や在留資格による所有制限は原則ありません)。ただし、日本に住所のない非居住者には、日本に住む人とは異なる税務上の取り扱いがいくつもあります。この記事では、日本の不動産を取得・保有・売却する3つの局面に分けて、非居住者にかかる税金と源泉徴収の仕組みを、国税庁の一次情報をもとに整理します。

非居住者の3つのポイント。
取得:不動産取得税・登録免許税・印紙税・消費税(建物のみ)は居住者と同じ
保有:賃貸すると家賃に20.42%の源泉徴収(借主が法人等の場合)。毎年の固定資産税も
売却:買主が代金の10.21%を源泉徴収し、非居住者は譲渡所得を申告分離課税(長期15.315%)

大前提|「非居住者」とは/納税管理人が必要

税務上の非居住者とは、日本国内に「住所」がなく、かつ現在まで引き続き1年以上「居所」がない個人を指します(国籍ではなく生活の本拠で判定します)[国税庁 No.2875]。海外に居住したまま日本の不動産を持つ外国人の多くがこれに当たります。

非居住者は「納税管理人」の届出を

非居住者が日本で確定申告・納税を行うには、日本国内に住む納税管理人(税理士や管理会社など)を定めて税務署に届け出るのが原則です。申告書の提出・還付金の受取・税務署からの書類受領などを代行してもらいます。不動産の管理・申告をスムーズに進めるため、購入の段階で選任しておくのが安全です。

局面①取得時にかかる税金

購入時の税金は、買主が非居住者でも居住者と同じです。主なものは次のとおりです[国税庁 非居住者の不動産取引]

税金内容(本則)
不動産取得税固定資産税評価額 × 4%(土地・住宅は3%への軽減あり)。取得後に都道府県から課税
登録免許税所有権移転登記:土地・建物とも評価額 × 2%(軽減措置あり)。抵当権設定は0.4%
印紙税売買契約書に貼付(金額に応じ数千円〜数十万円)
消費税建物にのみ10%(土地は非課税)。売主が課税事業者の場合。個人間の中古売買は建物も対象外のことが多い

軽減措置(住宅用家屋の登録免許税の特例など)は要件・期限があり、自己居住用でない投資物件では使えないものもあります。適用可否は個別に確認してください。

局面②保有中の税金|家賃の「20.42%源泉徴収」に注意

保有している間は、毎年1月1日時点の所有者に固定資産税(標準1.4%)+都市計画税(最大0.3%)がかかります。非居住者でもこれは同じです。

賃貸して家賃収入を得る場合、非居住者の不動産所得となり、日本で確定申告が必要です。ここで重要なのが源泉徴収です。

借主が法人等なら、家賃から20.42%が源泉徴収される

非居住者に国内不動産の賃料を支払う者は、原則として支払額の20.42%を源泉徴収して国に納める義務があります[国税庁 No.2884]。ただし、借主が個人で、自己またはその親族の居住用に借りている場合は源泉徴収は不要です。オフィスや店舗として法人に貸す場合、社宅として法人に貸す場合などは20.42%が天引きされます。天引きされた税は、非居住者が確定申告(不動産所得)をして経費を差し引き、精算します(払いすぎは還付)。

局面③売却時の税金|買主が「10.21%源泉徴収」

非居住者が日本の不動産を売ると、譲渡所得として日本で課税されます。ここでも源泉徴収の仕組みがあります。

買主は、支払う売買代金の10.21%を源泉徴収し、翌月10日までに国へ納めます[国税庁 No.2879]。これは、海外へ資金が出て行く前に譲渡所得課税を確保するための制度です。ただし、買主が個人で、自己または親族の居住用に取得し、かつ代金が1億円以下のときは源泉徴収は不要です。

譲渡所得の税率(申告分離課税)

売却益(譲渡価額 − 取得費 − 譲渡費用)に対して、
長期譲渡(所有5年超):15.315%(所得税15%+復興特別所得税0.315%)
短期譲渡(所有5年以下):30.63%(所得税30%+復興0.63%)
住民税は非居住者には課されません(1月1日に日本国内に住所がないため)。この点は居住者(長期20.315%・短期39.63%)より住民税分だけ負担が軽くなります。

売買代金から先に引かれた10.21%は「前払い」なので、非居住者が確定申告(2/16〜3/15)をして実際の税額と精算します。取得費が高く売却益が小さい場合などは、源泉された額の多くが還付されることもあります。申告しないと源泉されたまま精算されないため、申告は必須と考えてください。

相続・贈与にも注意|日本の不動産は「所在地主義」で課税

見落とされがちですが、日本国内にある不動産は、所有者が非居住の外国人であっても、日本の相続税・贈与税の課税対象になります。相続税・贈与税は「財産の所在」で判定され、日本に所在する不動産は日本の課税対象だからです。海外に住む親から日本の物件を承継する場合などに問題になります。国籍・住所・在留期間による課税範囲の考え方は外国人と相続税で解説しています。

関連する投資形態との比較

日本の不動産を個人で直接持つのか、日本法人(不動産保有会社)を通じて持つのか、あるいは不動産を保有する会社ごと買うのかで、税務は大きく変わります。会社ごと(株式)で取得する場合は、日本の不動産を多く持つ会社の株式=不動産化体株式として非居住者にも譲渡益課税が及ぶなど、別の論点が出てきます。会社の取得については日本企業のM&A(株式取得)の税務を、賃貸経営一般の税金は不動産投資の税金をご覧ください。民泊として短期で貸す場合は民泊と税金も参考になります。

まとめ

所有外国人・非居住者でも自由に所有できる(所有制限なし)
取得時不動産取得税・登録免許税・印紙税・消費税(建物)は居住者と同じ
保有・賃貸固定資産税+家賃は借主が法人等なら20.42%源泉
売却買主が10.21%源泉。譲渡益は長期15.315%・短期30.63%、住民税なし
申告源泉は前払い。確定申告で精算(還付のことも)
体制納税管理人の選任・届出が必要

よくある質問

外国人(非居住者)でも日本の不動産を買えますか?在留資格は必要ですか?

買えます。日本では国籍や在留資格による不動産所有の制限は原則なく、海外に住んだままでも購入・登記が可能です。ただし購入後の申告・納税のために、日本国内の納税管理人を定めて税務署に届け出るのが原則です。

日本の物件を貸して家賃を受け取ると、なぜ20.42%引かれるのですか?

非居住者への国内不動産の賃料支払いには、支払者に20.42%の源泉徴収義務があるためです。海外にいる貸主の所得税を確実に徴収するための制度です。ただし借主が個人で自己・親族の居住用に借りる場合は源泉不要です。天引きされた分は確定申告で経費を引いて精算し、払いすぎは還付されます。

売却したら代金の10.21%が引かれました。取り戻せますか?

10.21%は譲渡所得の前払い(源泉徴収)です。翌年の確定申告(2月16日〜3月15日)で、取得費・譲渡費用を差し引いた実際の税額と精算します。売却益が小さい場合は源泉された額の多くが還付されることもあります。申告しないと精算されないため必ず申告してください。

非居住者だと住民税はかかりますか?

かかりません。住民税は毎年1月1日に日本国内に住所がある人に課されるため、非居住者には課税されません。そのため不動産の譲渡益にかかる税率は、住民税がある居住者(長期20.315%)より住民税分だけ低い15.315%(長期)になります。

参考リンク(出典)

本記事は次の公的資料をもとに作成しています(中立・一次情報)。

※本記事は一般的な情報提供であり、税務上の助言ではありません。税率・軽減措置・要件は改正されることがあり、租税条約により取り扱いが変わる場合もあります。個別のご判断は、税務署・国際税務に詳しい税理士等の専門家にご確認ください。

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「はい」が多い記事から、優先的に内容を更新・深掘りしていきます。

公開日:2026年07月22日 / 執筆:みんなの税金 編集部

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本記事は税制・各種制度に関する一般的な情報提供を目的としたもので、税務上の助言ではありません。記載内容は公開時点の情報に基づき正確性に努めていますが、制度は改正される場合があります。実際のお手続き・個別のご判断は、国税庁・お住まいの税務署・税理士等の専門家にご確認ください。運営者情報・免責事項